2012年12月22日土曜日

向こう見ずの挑戦 無知の勇気 パエトン、アラクネ


ギリシャ神話のお話です。
パエトンはアポロンの息子で、太陽の馬車を暴走させてしまいます。
アラクネは機織りの名人で、女神アテナに機織り勝負を挑んで蜘蛛に変えられます。

彼らの挑戦は無知ゆえであったと思います。
自分の能力を知らず、相手がどんなものかも知らなかったのです。

それでも、残酷な結果が出るまではそんなものです。
無知は、まさに知らぬがゆえに結果を予測できません。

挑戦とは全てそんなものだろうと思います。
全てを知った上では挑戦と呼ばれない気がします。

アポロンは息子に真ん中の道を行くよう忠告しました。そこは一番安全で、よい道でした。
パエトンがそこを行けなかったのは、父に逆らったわけでもなく、ただ一番安全な道を行くことさえ難しかったからです。
一番安全な道を行くことも難しいとしたら、あえて危険を冒して成功することはほとんど不可能なことに思えます。

それでも危険に挑むことにはロマンがあります。
リスクを考え抜いた上での選択でもなく、ただ無知ゆえに危険に飛び込むことは、愚か者という評価がされるのでしょう。
でも、その潔さのようなものには何か惹かれるものを感じます。

しかし、散る花の美しさを意識してそれをすることは、もう無知ゆえの美しさを失っているのでしょう。
知恵の実の栄養と毒に浸ることが好きな私にはもうそれは不可能なのかもしれません。

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